自転車の防犯登録はしなきゃダメ? 登録しないデメリットは?

2019-09-22

先日ホームセンターで自転車を購入したところ、店員さんに「自転車の防犯登録はしますか?」と聞かれました。

義務のようなので一応登録しましたが(600円)、一体どんな制度なのか気になったので調べてまとめました。

 

防犯登録シール(静岡県)

ウィキペディアより引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/防犯登録

 

 

先に要点をまとめます

  • 防犯登録は使用者の義務(販売店の義務ではない)
  • 登録しない事による罰則はない
  • 色々めんどくさい事(警察の職質など) が嫌なら素直に登録した方がいい
  • 基本的には自転車を取り扱っている店で加入等が可能
  • 登録しても、防犯や盗難された際の返還について過度な期待はできない
  • 現状では「自転車の持ち主を登録する制度」と考える方がふさわしい
  • 都道府県によって登録料や有効期限が若干異なる
  • 住所変更や廃棄の時にも手続きが必要(あまり知られていませんが)

 

 

自転車の防犯登録は義務

自転車の防犯登録は、1994年に義務化されました。登録制度は都道府県毎に若干異なりますが、東京都の場合は以下のとおりです。

この自転車防犯登録制の目的は、自転車の盗難予防と被害回復の促進です。
自転車防犯登録は、平成6年6月20日施行の「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」第12条第3項「自転車等の利用者の責務」により利用者の責務(義務)とされています。防犯登録することで、自転車の所有者を明確にするものです。
また、自転車防犯登録をすると、警視庁のコンピュータに防犯登録番号等のデータが10年間登録され盗難などの被害に遭った場合、自転車が戻りやすくなります。

 

一般財団法人 東京都自転車商防犯協力会ウェブサイトより引用:http://www.bouhan-net.com/about/regist.html

 

防犯登録しないデメリット

  • 警察の職質(職務質問) の対象になりやすい(盗難を疑われる)
  • 自分の自転車だという証明ができない
  • 盗難された場合、発見の連絡が来ない
  • 上記の理由により、盗難に遭いやすくなる
  • 職質にあった場合、盗難車では無い事の照会の為に止められる場合がある。登録していない事を注意される

 

防犯登録をしていない自転車が盗難に遭ったら、戻って来る可能性はかなり低くなります。
また、「警察の職質」の面が一番のデメリットと言えるかもしれません。

 

 

防犯登録するメリット

登録したからといって、盗難された自転車が戻ってくるかどうかは正直"運"だと思います。では、登録するメリットは何であるかというと、次のような事柄になりあmす。

  • 義務を守っている事の証明
  • 自転車の持ち主である事が証明される
  • 盗難被害の際に見つかり易くなる、警察から連絡がもらえる
  • 駐輪場を利用する際の条件になるケースもある
  • 交通事故に遭った時など、登録番号から搭乗者(持ち主) が割り出せる

駐輪場利用は意外と盲点かもしれません。駐輪場の利用を考えている場合は素直に登録しておくべきでしょう。

また、防犯登録に過度な防犯効果は期待できません。盗難防止には、厳重なカギをかける、盗まれ易そうな場所に駐輪しないなど、基本的な注意が必要です。

 

 

防犯登録は為にある?

防犯登録制度は防犯以外にも、放置自転車の防止・撤去にも役立つって言われています(持ち主が割り出せる)。ただし、これが登録料を払う所有者のメリットかどうかは微妙です。

ちなみに、販売店も登録料が儲けになるわけではないようです。その為、「防犯登録だけをしたがる客に対して冷たい」(手間だけで儲けが無い) という話をネット上でいくつか見かけました。

 

 

防犯登録の仕方

基本は購入した店で行いますが、通販で購入した場合や譲渡された場合は、「自転車防犯登録所」に登録されている店に行けばやってもらえます。

自転車屋さん以外にも、ホームセンターやリサイクルショップなど、自転車を扱う店なら登録しています。また、都道府県によっては警察署などでも登録ができます。

ちなみに登録には、以下のものが必要なので中古品などを購入し、防犯登録をする場合は事前に気を付けた方がいいかもしれません。

 

  • 登録する自転車本体
  • 保証書または販売証明書
  • 登録者の身分証明書
  • 登録料

 

また、防犯登録をした際に発行される「登録カード」(お客様控え) は、更新や変更手続きを考えると、無くさずに手元に保管してください。

 

 

防犯登録の更新や変更について

意外にも、防犯登録は一度すれば終わりではなく、有効期限があります。

都道府県によって異なりますが、5~10年の期限が設定されている事が多いです。期限切れになるとデータ(登録者情報) が抹消されるようです。

また、転居の場合には変更手続きを、譲渡や廃棄する場合には抹消手続きが必要です。

 

 

防犯登録の変更が必要なケース

  • 氏名が変わった場合
  • 住所が変わった場合

都道府県をまたぐ場合は管轄が変わるので、登録の抹消と、転居先での登録するように推奨されています。

実際にどのくらい行われいるかはわかりませんが…。

 

防犯登録を抹消するケース

  • 自転車を処分する場合
  • 譲渡・売却する場合

 

 

防犯登録、こんな時どうする?

インターネットや通販で購入した場合

自分が住む地域の防犯登録所で防犯登録をする(その際、保証書などが必要になるので、書類は保管しておく)

 

ヤフオクやメルカリなどで購入する場合

防犯登録する際には「登録カード(お客様控え)」または「譲渡証明書」が必要になるので、落札する前にそれらを受領できるかどうか確認しましょう。それらを貰えない場合は、最悪盗難品である可能性もあるので、落札は避けるべきかもしれません。

また、譲渡証明書を送ると約束しておきながら送られなケースも考えられます。その場合は取引先の相手の住所や氏名を控えておきましょう。それらがある場合、防犯登録が可能になる事があるそうです。

 

防犯登録シールをはがされたり破損した場合

シールの再交付はできない為、新たに防犯登録をし直すことになります。

 

自転車を人からもらった場合

防犯登録をし直します。原則、前所有者の登録カード(控え) または譲渡証明書が必要です(譲渡証明書の書式はインターネット上にあります)。

自転車を人に譲る場合は自分の防犯登録を抹消した上で、相手に登録カードか譲渡証明書を渡して新たに防犯登録をしてもらうべきです。自分の名義のまま人に使われて、面倒なことに巻き込まれるケースを避ける為です。

 

景品などで自転車を受け取った場合

保証書や販売証明書も一緒に受取るのがベストです。本体しか受け取れなかった場合、その旨を防犯登録所や警察に相談すると対応してくれるようです(自治体や店舗によって様々な対応があるようです)。

 

 

 

防犯登録の都道府県での違い

防犯登録は都道府県によって微妙に異なっています。全都道府県分を掲載しました。

 

<2018年6月時点のデータ>

都道府県名 登録料(非課税) 有効期間 運営団体 その他
東京都 500円 10年間 一般社団法人 東京都自転車商防犯協力会 防犯登録シールにQRコード導入
神奈川県

550円

7年間 神奈川県自転車防犯協会 防犯登録シールにQRコード導入
大阪府 600円 10年間? 公益社団法人 大阪府防犯協会連合会
大阪府自転車商防犯協力会
左記サイトには詳しい情報無し。情報は大阪府警察のウェブサイトにて
愛知県 600円 無期限? 愛知県自転車防犯登録協会(TEL:052-201-2708) 左記団体にウェブサイト無し。情報は愛知県警のウェブサイトにて確認。
北海道 600円 10年間 公益財団法人 北海道防犯協会連合会  
青森県 600円 7年間 青森県自転車軽自動車商業協同組合  
岩手県 500円 7年間 岩手県自転車二輪車商業協同組合  
秋田県 600円 10年間 秋田県自転車軽自動車商業協同組合  
宮城県 600円 7年間 公益社団法人 宮城県防犯協会連合会  
山形県 600円 20年間 山形県自転車軽自動車商協同組合  
富山県 600円 8年間 富山県自転車軽自動車防犯登録協会  
福島県 600円 不明 公益社団法人 福島県防犯協会連合会  
栃木県 600円 不明 公益社団法人 栃木県防犯協会  
群馬県 600円 8年間 公益財団法人 群馬県防犯協会  
千葉県 600円 10年間 千葉県自転車軽自動車商協同組合  
埼玉県 600円 8年間 一般社団法人 埼玉県自転車防犯協会  
山梨県 不明 不明 山梨県自転車軽自動車商協同組合(TEL:055-222-9207)

左記団体のウェブサイト無し

山梨県警ウェブサイト

静岡県 600円 10年間

公益社団法人 静岡県防犯協会連合会

静岡県自転車軽自動車商業協同組合

 
長野県 600円 無期限 公益社団法人 長野県防犯協会連合会  
三重県 600円 7年間 三重県自転車防犯登録協会 2017年11月にウェブサイト立ち上げ
岐阜県 600円 不明 公益財団法人 岐阜県防犯協会  
滋賀県 600円 不明 滋賀県自転車防犯協会(TEL:077-522-7166)

左記団体のウェブサイト無し

滋賀県警ウェブサイト

新潟県 600円 無期限? 公益社団法人 新潟県防犯協会  
石川県 600円 7年間 石川県自転車軽自動車事業協同組合  
福井県 600円 7年間

福井県自転車軽自動車商協同組合

 
京都府 510円 10年間? 京都府自転車防犯登録推進協会  
兵庫県 500円 7年間 一般社団法人 兵庫県自転車防犯登録会  
奈良県 600円 10年間 奈良県自転車軽自動車商協同組合  
和歌山県 600円 不明 和歌山県自転車防犯登録協会  
香川県 616円 無期限 香川県自転車軽自動車商協同組合  
愛媛県 600円 15年間?

公益社団法人 愛媛県防犯協会連合会

愛媛県自転車商協同組合

 
徳島県 600円 不明

公益社団法人 徳島県防犯協会

 
高知県 600円 10年間

高知県自転車二輪車商協同組合

 
岡山県 600円 10年間 岡山県自転車・原付防犯登録会 ウェブサイトのデザインがしっかりしている
広島県 600円 10年間

広島県防犯組合連合会

広島県自転車協同組合

 
山口県 不明 8年間? 山口県自転車軽自動車商協同組合(TEL:0835-22-0712) 左記団体のウェブサイト無し。山口県警ウェブサイトでも情報不足。唯一確認できるのがこちらの山口県警の要綱(pdfファイル)となる。
島根県 不明 7年間

島根県自転車軽自動車商協同組合(出雲支部TEL:0853-30-0345)

島根県自転車軽自動車商協同組合特別会員会

左記団体のウェブサイト無し。島根県警のウェブサイトでも情報不足。唯一確認できるのがこちらの島根県警の要綱(pdfファイル)となる。
鳥取県 600円 10年間 公益社団法人 鳥取県防犯連合会  
福岡県 600円 10年間(平成29年4月以前に登録したものは7年) 公益社団法人 福岡県防犯協会連合会  
宮崎県 600円 7年間 公益財団法人 宮崎県防犯協会連合会  
長崎県 600円 10年間 長崎県二輪車自転車商協同組合  
大分県 600円 10年間 公益財団法人 大分県防犯協会  
熊本県 600円 不明

公益社団法人 熊本県防犯協会連合会

熊本県自動車二輪車商協同組合

 
佐賀県 不明 不明 不明 佐賀県警のウェブサイトでも情報不足
鹿児島県 600円 12年間 公益財団法人 鹿児島県防犯協会  
沖縄県 500円 5年間 公益財団法人 沖縄県防犯協会連合会  

 

 

以上、お役に立てましたら幸いですm(_ _)m